2017/08/10

北穂高 Day2:いろいろあった登頂

これは写真部な筆者がベテラン山岳部に山へ連れて行ってもらう旅日記です。データーに不正確な部分があったり表現に大げさな部分がありますので、山行計画の参考にはなりません。あくまで旅日記としてお楽しみください。とくに初心者だけでの登山はご注意ください。なお山は自己責任ですので、そのあたりをご理解ください。


300DSC03907-300

山小屋の朝は早い。5時です。起きて洗面してメシ


301DSC03909-301

本日の朝食。ご飯味噌汁お茶はセルフです


305P1190682-305

朝食後に外に出ると朝日が山頂に


303P1190674-303

谷間は朝も明るくなるのが遅い



300S8107752-300

月と朝日があたる明神岳 (この写真は拡大できます)


308DSC03913-308

部屋に急いで帰り、本日の支度。念のため、地図でルート確認。間違いようのないメジャールートですけどね


309P1190686-309

本日は14905歩よりスタートです。標高は約1600m


310DSC03916-310

6時出発!本日の目的地は標高3106mの北穂高岳山頂です。順調なら6時間ほどの工程(休息除く)


312P1190688-312

横尾大橋を渡り、まずは涸沢カールを目指します。涸沢までは3時間を予定



313DSC03919-313

橋に何やら案内が


314DSC03923-314

午後2時を過ぎたら、横尾に泊まれというお達しです。そしてここからは指定登山道エリアですと。登山装備が必要ですと、4か国語でも書いてあります



315DSC03926-315

中身は若輩者ですが、登山の装備してますからOK



316DSC03932-316

梓川を渡ります


317DSC03934-317

再び注意書き。観光客はここから先は行くなと。事故多いのかな


318P1190690-318

ここからは横尾谷をいきます。まず川原を歩きます


319P1190695-319

まだまだ先は長い


320DSC03940-320

岩小屋跡をすぎるとそろそろ本当の山道になります



321DSC03944-321

まず一気に登ります


328P1190719-328

高度を上げたので、沢の対岸の屏風岩がよく見てきました


322P1190699-322

そして前方の木の間から見えているのは、南岳でしょうか?


300P1190700-300

小屋が見えてます。多分、南岳小屋


323DSC03948-323

道は本気の登山道に


326P1190711-326

谷の方位が変わり、別の山が見えてきました


327P1190717-327

北穂高小屋にまちがいないようです。ほぼ山頂。


329P1190721-329

マジであんなに遠くまで行くのかよ。



330DSC03955-330

などとのたまっているうちに、本谷橋(ほんたにばし)に到着



332DSC03957-332

ここは絶好の休息ポイントですが、われわれは先へ進みます。ここまで1時間少々。若干遅いペースです。



333DSC03959-333

横尾谷を流れ下る沢ですが、今日は水量が多いようです


334DSC03961-334

昨日までの雨のせいでしょうかね



335DSC03966-335

そして本谷橋を渡ると試練が始まります



337DSC03972-337

一気に道が険しくなり、一気に登ります


338DSC03976-338

どんどんと高度を上げる登山道


339DSC03979-339

ま、ここも2度目なので覚悟してたのでOK


341DSC03983-341

写真で伝わるかな~~、この急登。涸沢に始めてくる人、覚悟してきてね



342DSC03989-342

なんとなく遠くに涸沢カールが見え始めました



343DSC03991-343

ちょっと一休み


344DSC03993-344

この先は落石地帯なので、手前で休んどきました。ここで注意は3か国語。中国語はなくなったところを見ると、まだ中国の観光客は涸沢は目指さないようです



345DSC03996-345

落石地帯通過。まるで石工が作ったように足元が整備されています。


346DSC04000-346

このあたりで標高が2000mを超えます



348P1190731-348

やっと涸沢が見え始めました。左下で緑と灰色が交わっているあたりです


349P1190733-349

ほら、テントが見えてます



351P1190734-351

そしてこのあたりで樹林帯を抜け、ガレ場を歩きます


352P1190739-352

見えてるのに遠いのはよくある話。ここへくると高度のせいで息が切れます


353P1190742-353

ちなみに正面は穂高山系ですよ



354P1190745-354

横を清流が流れます



356DSC04013-356

さてここですれ違った方のスマホが緊急警報を鳴らしました。上高地の焼岳で噴火警戒があるようです。地震かと思いビビりました。なお僕のスマホはOFFなのでなりませんでした。


357DSC04014-357

ここで涸沢内で道が分かれます。我々は右の涸沢小屋へ



358P1190755-358

そして右手にはなんとなく北穂高の山頂小屋が見えています



359P1190756-359

アップ!



360DSC04019-360

「まいったな~、まだあんなに上だよ」とビビる写真部の私



361P1190759-361

とりあえずの目的地、涸沢小屋が見え始めました


362P1190762-362

正面の左側が奥穂高岳、中央やや右が涸沢岳。両方とももう登ってます


363DSC04021-363

そしてこちらの左奥が前穂高岳。まさに絶景に囲まれた涸沢です。ここ自体が目的地になる素晴らしい場所です



364P1190764-364

今登ってきた方面


365P1190767-365

明日は山の日です。きっともっとテントが増えると思います


366P1190770-366

さてテン場を過ぎ、涸沢小屋へ。右手の谷間の奥が北穂高です


367DSC04028-367

なんでまたこの小屋は高いところにあるんだよ。つらい~~~



368DSC04033-368

9:20涸沢小屋到着。絶景のテラスで休憩です、、、が



370DSC04038-370

その前にトイレね。我慢してきました


371DSC04039-371

ちゃんとチップを払いましょう


372DSC04044-372

そして落ち着きました



373DSC04048-373

小屋でコーヒーを買いました。本格的です


369P1190773-369

涸沢カールを見下ろしながらのコーヒー



3742017-08-10 09.33.57-374

そして見上げながらのコーヒー


3762017-08-10 09.37.20-376

いいっすね~~。ここで横尾山荘から持ってきた昼を食べちゃいます。横尾の弁当はパンですよ



377DSC04050-377

涸沢では水が豊富なため、だれでも無料で水を補給できます。おいしいですよ。


378DSC04051-378

25399歩ですのでここまで約10000歩。でもまだここは中間地点。さあ、北穂高山頂を目指して出発です。ここで標高は約2500m、山頂は3106mです。山頂までは3時間20分の標準タイム


379DSC04053-379

北穂とかいた案内板のほうへ



380DSC04056-380

先ほどの本谷橋からが急登と書きましたが、ここからのほうがもっと急。そしてさらに足場も悪く危険です



381P1190776-381

でも景色は絶好調



382P1190779-382

酸欠ですでに足が上がりません



383DSC04066-383

一歩一歩、登るしかないです


384DSC04072-384

毎年無責任で申し訳ありませんが、名前がわからない高山植物だらけです。高山植物A(コメントで教えていただきました ミヤマタンポポ)


385P1190784-385

高山植物B

詳しい方、教えてくださると幸いです

(コメントでいただきました:ヤマハハコ)



386P1190787-386

リーダーの山岳部Fジイはゆっくりと黙々と休まずに登ります。そういうスタイルらしいです



387P1190788-387

ずいぶんと高度が上がってきました。奥穂高岳方面です。画面中央やや右の深緑の支稜線が奥穂高へ登るルートのザイテングラードです。8年ぐらい前に登ってますよ。旅日記もあります



388P1190792-388

再び高山植物C

(コメントでいただきました:シモツケソウ)


389P1190795-389

高山植物D

(コメントでいただきました:アキノキリンソウ…?)


390P1190804-390

かなり急なのがわかるでしょうか。先ほどのテン場です。涸沢小屋は右下の木々の下で見えません



391DSC04082-391

高度を上げるとだんだんと岩登りが出だします。10年登ってもまだまだ若輩者なので、こういう場所は緊張します。3点支持ですよ、岩場は



392DSC04085-392

ただし僕は高所大好きなので恐怖感はありません



393P1190806-393

高山植物F

(コメントで教えていただきました:マルバダケブキ)



394DSC04088-394

山男F

どこ登れってんだよって感じ


395DSC04093-395

今度はいわば歩き。浮石が多いので要注意です


396P1190809-396

下に小さく見えるのがテントです


398P1190813-398

そういえばなんか曇ってきました



399P1190814-399

こちらは向かいの前穂高岳。一番高い峰以外は、一般道はありません。前穂高も登ってます



400DSC04101-400

高山植物G

(コメントで教えていただきました:イワオトギリ、またはシナノオトギリキ)


401DSC04102-401

高山植物H

(コメントで教えていただきました:ハクサンフウロ)


402P1190818-402

なんか怪しい雲行き


404P1190829-404

そしてこのルートの核心部といってもいい、鎖場と梯子にやってきました。


405P1190830-405

角度は急ではありませんが、足場がわかりにくい場所があり、特に下りで苦戦されているようです。そして渋滞箇所です


403P1190827-403

左上の先に、さらに梯子があります


407DSC04106-407

とりつきに来ました。登りは鎖なしで登れます。写真部が先に行きます!


408P1190840-408

Fジイが続きます。滑落すれば一大事なのは間違いありませんので、慎重に


409DSC04107-409

途中ですれ違うのですが、待ち場所が限られるので落石来たらアウトだよ。それより上から人落ちてきたら完全アウトだな


410DSC04108-410

梯子が見えてきました。途中にもチッピングと鎖があります


300DSC04110-300

やっと登り切りました。ここですれ違い待ちのFジイを待ちます


411DSC04113-411

でも先に登ってきたのは長野県警の山岳警備隊員。レスキューのため現場に急行中です。さきほどすれ違いの時に聞いたのですが、このすぐ上で落石事故だそうです。登山10年目で初めて事故現場に遭遇です。


300DSC04115-300

女性の頭部に落石があたったそうですが、幸いにも軽傷で意識もあり歩行もできるようです。すでに常駐隊の方により応急処置も終わっていました。でも松本の病院へ搬送のためヘリコプターが来るそうです。そうだよね、頭打ってるんだもんね。ヘルメットは着用されてなかったようです。我々もヘルメットはしていません。


412DSC04117-412

ヘリが来る前にエリア規制がかかるので、現場より上へ移動します



413P1190844-413

悪いことに霧が出始めました。あるいは雲が下りてきたのでしょうか



414P1190845-414

少し下ではヘリ搬送の準備のため、怪我された方が自力で釣り上げやすい場所へ移動しています。山の事故は怖いなと、


415P1190847-415

好奇心でヘリを見たいのですが、悪天候になる前に小屋へ行きたいので登攀再開



416P1190848-416

このエリアにはまた鎖場があります



417P1190849-417

慎重に登れば、すくなくとも登りは鎖不要です


418P1190853-418

ここでヘリコプターのローター音が響いてきました



419P1190855-419

霧の中にうっすら見えるのは涸沢のテントです


420P1190857-420

そして霧の中に長野県警のヘリがやってきました


421P1190860-421

かなりぎりぎりのタイミングなのではないでしょうか。視界が悪くなる直前にリフトするようです

300P1190860-300

リフト場所は先ほどの梯子上部付近だそうです



422P1190868-422

ゆっくりとホバリングしながら近づきます


423P1190883-423

さて実はここでもっと大変な2件目の事故に遭遇します。このヘリにむかって必死でタオルを振るグループが僕らのすぐ上にいました。いってみると、またしても落石事故。こちらは男性が意識不明で血を流し倒れた状態でお仲間に介抱されていました。呼吸はあったようです。「携帯電話が通じなく救助が呼べないんです。」と通りかかった僕に助けを求めてきたようです。僕のすぐ次に来た若い男性が早速リュックおろし「救助隊がまだ下にいるので呼んできます」とすぐに降りていきました。僕は「万一のために小屋へ急いで登って救助要請してきます」と言い歩き始めました。でもふと冷静にドコモ携帯が通じるはずなので、「ドコモなら通じるはず、、、」というと介抱していた男性が気づいたように電話をし、幸いにも通じ救助要請を出せました。


424DSC04121-424

救助が呼べたのに安堵し、お仲間もいるし救助隊も上がってくるようなので、僕らは現場を後にしました。後で思ったのは、もうすこし現場にいてあげればよかったこと、だれも止血をしてあげてなかったこと、ファーストエイドやツエルトやエマージェンシーシートなどを持っていたのに差し出さなかったことなど、いろいろ考えながら歩きました



425DSC04123-425

しかし現場は2900m付近。そしてあっという間にガスってしまい、ヘリはもう来れないだろうと、、、。最初の落石事故の直後に2件目に遭遇なんて。北穂高岳の南陵は、ここではエキスパートルートでもなんでもない一般登山道ですが、同時に2件落石かよ。


426P1190891-426

さっきまでのお祭りムードは吹っ飛び、大げさだけど事故と登山は隣り合わせを自覚中です。そして自分の無力感に反省。


427DSC04125-427

登山歴何十年のFジイも事故現場には遭遇してないそうです。今日はけっして悪天候でも悪条件でもないんですよ。2件目の方はヘルメットをかぶっていたようで、なければ即アウト。やっぱりヘルメット必要だな。


428DSC04127-428

気を引き締め、落石を起こさぬようにあるいていくと、霧の中にテントが見え始めました


429DSC04129-429

北穂高のテン場です。頂上小屋からは20分離れているそうなので、あと20分で到着です。



430P1190895-430

もはやガスで絶景も見えません。


433P1190899-433

そして分岐の道標がみえてきました



434DSC04131-434

縦走コースと合流です。山頂まであと少し。霧で幻想的と言うこともありますが、ここはなんだか不気味です



435DSC04136-435

このあたりで山小屋から来た救助隊の方とすれ違いました。レスキューは無事進行中のようです



436DSC04138-436

Fジイに先行してもらいました



437DSC04142-437

ぼ~~と歩くわれわれ



438DSC04147-438

頂上直下の雪田をすぎると


439P1190902-439

あとすこし。ちなみにFジイはなんどか登っているので、ルートがわかっています



440DSC04149-440

もう頂上です


441DSC04150-441

とうちゃこ



442DSC04153-442

何も見えない寂しい北穂高岳山頂です。標高3106m、日本9位の山です



443DSC04157-443

3106mだかなんだかわからないけど、息苦しいので高山だなと。とりあえず雨が降る前に到着できました。これで日本のトップ10に上ったことになります。バンザイな気分ではないので、地味に



444DSC04162-444

すでにFジイがガスってます


445DSC04166-445

上高地から29568歩で登頂です。6時間少々のコースですが、ご飯を食べたりいろいろあったので8時間弱かかりました



446P1190905-446

お、こんなところにネズミが。捕まえたので愛猫のお土産だ!という、毎年やってる小ネタを今年も


448DSC04168-448

で、ここの特徴は山頂に小屋があること



449DSC04171-449

小屋の屋上が山頂という感じです


450DSC04173-450

本来なら、槍ヶ岳とかがみえる絶景なんだけどね



451DSC04176-451

わずかに数十歩で小屋到着。こちらは売店


458DSC04187-458

ついたぜ、無事に


453DSC04179-453

小屋にはジャスト14時(高度計は目安。本当は3100mです)


454DSC04182-454

「頼もう!」とチェックイン



455DSC04184-455

ちなみにこちらが有名なエキスパートコース、大キレットへの降り口。



456DSC04185-456

ですが今日は何にも見えません。本来なら槍ヶ岳まで一望



457DSC04186-457

もうつかれちゃってしばし部屋にもいかずに休憩です


300DSC04177-300

やたら安全が気になる私


461DSC04194-461

さてさて小屋についたらまずやること。Fジイはジュース、



4632017-08-10 15.04.28-463

僕はもはや儀式といってもいいカップ麺



462DSC04202-462

えっとですね、ここは3100mあるんです。お湯の沸騰温度は90度ぐらいですんで、麺バリ固です。でもうまい。不思議と塩気がちょうどよく感じスープ飲み干せます


300P1190708-300

ちなみに登ってくるとき見えてた北穂小屋。このテラ

スにいます


474DSC04222-474

この後部屋へ。3階だな。だから標高は3104mぐらかいな



464DSC04205-464

部屋は満員だけど、布団は一人1枚。よかった。やることなしなので、ごろ寝



465DSC04207-465

ちなみにここではAUが室内で安定して使えました。通話はしてないので不明ですが、たぶんいけそう。


467DSC04212-467

夕食は生姜焼き。


468DSC04213-468

食欲がないFジイと


469DSC04214-469

頭が重い私。ふたりして高山病です


470DSC04215-470

このあとテラスにでましたが、、雨が降ってきた。夕焼けも夕日も星空もあきらめだ。せっかくFジイに三脚まで持ってもらったのに、、、



472DSC04218-472

雨で外にいることもできず、やることないので、、、



4662017-08-10 15.54.47-466

さっさと寝ました



473DSC04221-473

夜中にトイレに起きて、一応天候のチェック。星空とか月夜の槍ヶ岳とか撮りたかったがあきらめだ!ただ登っただけになったな、今回は。

歩数のほうは本日14851歩、積算29756歩でした。明日はきっと晴れる!かな。

---
追記
下山後調べたところ、ヘリで救助された1件目の方は軽傷。2件目の方はヘリが飛べず救助隊が涸沢の診療所まで担いで下ろし、翌日天候の回復を待ってヘリで搬送されたそうです。回復されることをお祈りいたします。

---

高山植物の名前を、コメントで教えていただきありがとうございました


この旅の目次へ

0 件のコメント: