「無事帰ってきたなぁ~~」
南米から空港につき、電車でNY市内へ着いた瞬間に思わず口に出た。ペンステーション前のタクシーの列の混沌も、やかましいクラクションの洪水も、ストリートベンダーの肉の匂いも、店員の無愛想な接客も、みんなみんな懐かしくってうれしかった。
でも、本当は帰って来てはいないのだ。旅はまだ途中。浮かれ気分で勝手知ったる街を闊歩しながら、あわてて自分を戒める。
「旅はわらじを脱ぐまで」
NYだから大丈夫なんて思っちゃ行けないぞ。きっと何かが襲ってくる。襲ってこなくても、何か起きる。気を引き締めろ。
旧友からある話をを聞いた。日本からの知人が、実に日本人らしく着飾ってNYやってきた。彼女らは女性誌の切り抜きを持っていたらしい。『今やブルックリンがオシャレで新しい』的な記事。彼女達はそれにのっている店を巡り、夕飯には掲載されたレストランに行ったらしい。それが、偶然僕が食べに行ったBEDSTUYのピザレストランだった。
彼女らはレストランへ行く道すがら、地元の若者らにからかわれたしい。別に実害はなかったらしいが。でもここはブルックリン、それもBEDSTUYですので。そもそもブランド品で固めて、旅行ガイドを持って行くところじゃありません。書いちゃう雑誌も無責任だが、本人達が油断してたんだろうな。
みんなNYCが安全だと言い過ぎじゃないか?そりゃ昔より格段に安全だが、日本の基準とは違う。安全になったハーレムだってローアーイーストサイドだってブルックリンだって、色々あるし。
遠足は家に帰るまで、とはよく言ったものだな、なんて言ってたら、巨大な奴がじわじわ襲ってきた。ハリケーンだ。
直撃直前の便で、満席。でもあと1日ずれてただけで、ハリケーンに巻き込まれ、4~5日は帰れないところだった。後で聞いたら泊まってたホテルも4日間停電だったそうだ。停電の18階で4日間。無理だ。まさに油断大敵である。
飛行機といえばいつも思うことがある。
なんでトイレに行ったときに限って、それも大の時に限って揺れ出すんだよ。すぐには席に帰れないんだよ。油断大敵だ。
あとちょっと。
「携帯はお忘れじゃないですか?」
タクシーには携帯の忘れ物が多いそうだ。確認。
やっと家に帰り着き、一安心。遠足終了。
旅から帰ると翌日はいつも、地元の砂浜に。波立ち汐の香りが立ちこめるこの海の彼方に行ってきたんだ。アルゼンチンもウルグアイもは地球の裏側だけど、この海はつながっている。
毎度、旅のわらじは脱ぎ捨てて思うのは、日本も悪くないってこと。
コロニアの水平線と静かで優しいラプラタ川もよかったけど、やっぱり僕にはこの海の方がいいな。
ただいま。
+++
ご愛読に感謝
今回の旅カメラ
SONY Cybershot TX20(大多数。防水)
Fuji FinePix f800exr(暗いときや望遠)
Fuji FinePix X10(本気の時)
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