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2007/12/12

Euro07 DAY 8: いざ弱肉強食マドリッドへ

本日の旅程。
朝アルヘシラスからマドリッドへ移動。14時着。
そのまま午後をマドリッドですごし、
夜行でポルトガルのリスボンへ向かいます。

104743歩です。
快調な目覚め。
まだ食欲はありません。
さあ、特急でマドリッドへ。

ホテルの裏側は長距離バスのターミナル。
なんか昨夜のインチキ場末パエリアが未消化な感じです。
朝飯は駅のほうが無難な感じ


ホテルのロビー。
それなりに高いホテルなのにはやっている感じはありません。
いわゆる出そうな感じのホテルです。

ホテルの立地は最高。
裏にバスターミナル、前には駅です。
ローターリーをまたいで駅まで30秒。

駅のカフェでトーストに紅茶の朝ごはん。
好きなコーヒーは飲めません。
まだまだ駄目です。


さてスペインでは数年前にマドリッドで列車テロがありました。
それ以来特急列車に乗るにはX線検査があります。
聞いた話では駅や鉄道は本当は撮影も禁止だそうですが
観光客が撮っている分には何も言われません。
でも検査場はやめたほうがよさそうな感じ。

ドロボウか!と思ったらサンタでした。

さてさて毎度おなじみTALGO型の客車。
タルゴは線路幅の違う区間をそのまま走れます。
この列車はこのローカル駅からマドリッドまで直通ですが
途中からは新幹線専用の線路を走ります。
日本で言うところの秋田新幹線みたいなものです。

日本と違うのはローカル線のほうが新幹線より線路幅が広いこと。
意外なんですが低速線が広い線路で、高速線がヨーロッパ標準の日本の新幹線と同じ幅。
これはスペインがかつて独裁だった時代にフランスから直接攻め込めないように
わざわざ線路の幅を変えたことによるそうです。
でもいまやTGV時代。ヨーロッパ各都市が国境をまたぎ新幹線で結ばれているのに
線路幅の違いの為にヨーロッパ新幹線はスペインにはやってこれません。
なのでスペインの新幹線はヨーロッパと同じ線路になりました。


そこで困ったことが。国内で線路の幅が違う線路ができてしまったのです。
これは日本と同じですね。
これでは新幹線とローカル線の直通運転ができません。
日本では直通運転するローカル線の線路の幅を広げて新幹線と同じにしました。
でもスペインでは昔からあったフランスへ行く直通国際列車の
客車だったこのタルゴの技術があったのでこれを使い高速列車の客車を作っちゃいました。
列車のほうを変えたので、線路のほうはそのままです。


不思議なのはその構造ですが、右と左の車輪を結ぶ車軸がない構造だそうです。
ベビーカーの車輪のように左右独立して着いてるらしいです。
それも連結部分についているので左右の車輪の間の空間を人が通れます。
だからすごく低重心で揺れにくくカーブにも強い。
その一方で車両の長さが短いのが欠点。
だから車内もコンパクト気味です。
ファーストは3列、普通車は4列。
日本の新幹線よりもかなり小ぶりです。
ちょうどミニ新幹線と同じ感じですね。



ユーレールパスのおかげで1等車。
だから指定席代のたった3000円ぐらいだけで6時間のれます。

まずはウエルカムドリンクとミニ・ペーストリー。
当然飲んでいるのは紅茶。


谷の向こうに白い村々が見えます。
結構な大渓谷を走っていきます。
当然ですがディーゼル機関車が引っ張ってます。

そしてもう一度朝食。これがスペイン風らしいです。

あらためて鉄道のウンチク話。
中央に見える二つ穴が開いた白い建物がタルゴ客車の車輪幅を走りながら変える施設です。
少年にすっかり戻っている39歳です。わくわく。

さあ車輪の幅が変わったところで新幹線用の機関車がやってきました。
こちらは新幹線も機関車が引っ張ります。


さっきまでの『のんびり列車』とは打って変わって
ガンガン飛ばします。
この車両の最高速度は200km
何キロ出ているのかわかりませんが新幹線と同じぐらいのスピード。
アンダルシアの風景が風のように飛んでいきます。


だんだん雲が増えてきました。
マドリッドに着くころには曇りになしました。

マドリッド・アトーチャ駅到着ー。近代的な駅です。
全ての新幹線がここにつきます。
もうすぐバルセロナまで新幹線が通りますが、その後はフランスまでつながるそうです。
そうなるとパリからTGVで直通で5時間ぐらいでしょうかね。
次回来る時にはできてそうです。


106175歩でマドリッド到着です。

むこうにとまっているのがAVEという本当の新幹線。
300KMで走るそうです。


このゲートの外はいわゆる改札の外


じゃーん。なぜか植物園になってます。
現在水やり中


さてさてまずは落ち着いてレストランで食事。
お腹はすいてますが、腹具合はやや不安。

さてレストランからコンコースを見ながら、
大変なことに気づいてしまいました。
この写真の右下の小さく写っているオヤジたち、
寝ているように見えて人の流れを追っています。
視力抜群の僕には全てが見えます

アップにしてみました。
寝た振りしながら目で人の流れを追いつつ互いに何か会話をしています。
この後、アジア系のデイパックを背負った若者がコンコースの真ん中で
ガイドブックを広げてキョロキョロしていました。
絵に書いたような若者旅行者です。
彼が外へ出て行った直後、親父たちが起きました。
そしてそのうち若手2人が現れて若者の行った方向へ向かわされました。
そして親父たちはまた寝たふり。
うーーん、これが噂のスリ集団なのか、それとも首絞め強盗団か、
はたまた警察のアンダーカバーなのか。
いずれにしても尋常ではない集団です。
それにしてもコンコースの中央でガイドブック片手にきゃろきょろは駄目だろー。
彼を追いかけていった若手2人は帰ってきませんでした。。。
レストランでガイドブックを読んでいた僕は、
背後に気をつけながらビクビクドキドキで駅を出ました。


駅の外観。後をつけてくる人はいないな、、、とチェックもかねて。


アトーチャ駅から道を挟んだところにあるのが王立ソフィア美術館です。
マドリッドで一番有名な美術館はトレド美術館ですが、あちらは19世紀以前の作品を、
こちらは主に20世紀以降の作品を収蔵しています。
ピカソのゲルニカがあるので有名ですがが現代美術まで収納しています。

中庭はこんな感じ。

エレベーターで2Fに昇ります。
残念なが館内は撮影禁止。
キュービズム以降が体系的に良く整理されています。
シュールレアリズムもダリの国なので積極的。







そしてこちらがピカソのゲルニカです。
ナチスがスペインの独裁政権をバックアップする目的で
ゲルニカ地方を空爆した事への抗議としてパリで公開された作品です。
本来、芸術は美であるだけでなくメッセージを含んだものなのです。
なにか問題があるときに、それが当事者により提議され、芸術家がそれをアピールし、
報道が取り上げ、政治がそれを問題として扱い、解決策が検討される。
そういうものなのです。
残念ながら本物は撮影禁止なので、おみあげのマグネットを複写。

同じ美術館ですが、こちらは裏側の新館。
現代美術がありそうな感じでしょ。

ここで一休み。
飲んでいるのはミントティーです。
弱さの証拠です。

ロジャーと電話で会話。回復の具合の話を言うと
「それは食あたりじゃなくバルセロナではやってる腹に来る風邪だな」
と判明。実は今日の午後は下痢しています。
風邪のせいなのか、それともアトーチャ駅のプレッシャーからか。
でも美術館にいるのはこういうときには心強いです。


さあ旧館の4Fへ。4Fは

結構歩いてますねー。115250歩。
美術館だけで9000歩です。

外に出るともう暗くなってました。
正面の明るい建物が恐怖のアトーチャ駅。

またしても後方確認して駅へ。
まだいるのかな、あの連中、、、


弱肉強食のサバンナ、アトーチャ駅ですが、
残念ながら今夜の夜行列車はこの駅からは出ていません。
夜行が出るチャマルティン駅へは地下鉄か郊外列車かタクシーで移動です。
コインロッカーからそそくさと荷物を出しました。
これはサバンナで草食動物が河を渡るときのように狙われやすい状態です。
さっき若者はタクシー乗り場へ向かいライオンに襲われたと思われます。
安全そうなタクシーはここではぼらるので有名。
駅にはライオン、タクシーはワニが運転。道端にも多分ハイエナが待っている。
おーーどうなる、このサバンナ大移動。
こういう時の鉄則は「一人にならない」と「観光客ルートから外れる」です。
彼らも楽なターゲットしか狙いません。
僕は警備員にチャマルティン駅への電車での行き方を英語で聞きました。
「1,2番線の列車に乗り3つめだよ。」と英語での返事。
なので住民の群れにまぎれて河を渡る電車移動に決めました。
さすがに首都の駅。英語が普通に通じます。
改札の係員にも再確認。
見た目はきれいだけど、この駅まじ怖いぜ。
そういえば昔の上野駅はこんな怖さがあったんだった。
東北から上京したおのぼりさんを狙った犯罪。
あれだな。

うわさの2番線です。
周りの人に「これチャマルティン行く?」って聞いて乗車です。

車内はこんな感じ。
だんだん人が乗ってきてOKな感じ。
群れから外れると襲われますし、人ごみ過ぎるとスリにすられます。
こわ!


チャマルティン駅到着。
駅は小汚くて薄暗いですが見かけは関係ありません。
多分アトーチャよりは平和でしょう。

無事に渡河を終えたら、まずは腹ごしらえ。
そういえばしゃれたレストランなんてすっかり行ってません。
一人旅では食事が寂しいですね。
でも今回は腹具合が悪いのでぜんぜん関係ありません。
見て食べられる駅食堂は最高。
「消化にいいものをください」とロジャーに習ったカタカナのスペイン語で聞くと
英語で「お腹こわしたの?」と返事が。
以後英語で言うことに。
とりあえず定番のチキンヌードルスープ、バナナ、パン。



そしてなぜかアクエリアス再登場。これが水分補給には最高です。
魚はちょっと油っぽいけど焼いたもの。
こんな所でしょ。


そして当然の安全地帯、ファーストクラスのラウンジへ。

スペインで一番きれいだったトイレ。

117705歩。
けっこう疲れてます。

22時過ぎ、やっとポルトガル・リスボン行きが入線。
これに乗れば寝れます。

と思いきや寝れません。
すっかり確認してなかったのですが1等寝台は2食付でした。
前回フランスからの食堂車のサービスの遅さとメシのまずさに懲りていたので
パスしようかと思ってましたが
今回の旅行で出会ったなかで一番美人だった車掌さんが流暢な英語で
「デザートとお茶だけでもいったら?」と薦める。
この列車がポルトガル国鉄スタッフで運営されているので
気をとりなおしてので食堂車へ。

「一等車の料金には食前酒、アペタイザー、メイン、デザート、食後の飲み物が含まれています」
はいはい。全部自腹で食べると7000円ぐらい。
食べとくか。

結局、アペタイザーのきのこスープとデザートだけを注文。

味もサービスも良好。ポルトガル、いいかも。

さあ、シャワーを浴びて寝ます。
シャワーの出が悪いのは不満。
どうも同時に使っている人がいるとそうなるようです。
わざわざ時間差で浴びる気は無いのでちょろちょろの
ぬる目のシャワーで我慢。
ちなみに車両はスペイン国鉄のものです。
116451歩。おやすみ、みなさん。


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2 件のコメント:

  1. > 今回の旅行で出会ったなかで一番美人だった車掌さん

    の写真がないぞ。今回の旅行で一番大切なことだろうに。

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  2. ないです。あしからず。

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