これは写真部な筆者がベテラン山岳部に山へ連れて行ってもらう旅日記です。データーに不正確な部分があったり表現に大げさな部分がありますので、山行計画の参考にはなりません。あくまで旅日記としてお楽しみください。とくに初心者だけでの登山はご注意ください。なお山は自己責任ですので、そのあたりをご理解ください。
山小屋の朝は早い。5時です。起きて洗面してメシ
本日の朝食。ご飯味噌汁お茶はセルフです
朝食後に外に出ると朝日が山頂に
谷間は朝も明るくなるのが遅い
月と朝日があたる明神岳 (この写真は拡大できます)
部屋に急いで帰り、本日の支度。念のため、地図でルート確認。間違いようのないメジャールートですけどね
本日は14905歩よりスタートです。標高は約1600m
6時出発!本日の目的地は標高3106mの北穂高岳山頂です。順調なら6時間ほどの工程(休息除く)
横尾大橋を渡り、まずは涸沢カールを目指します。涸沢までは3時間を予定
橋に何やら案内が
午後2時を過ぎたら、横尾に泊まれというお達しです。そしてここからは指定登山道エリアですと。登山装備が必要ですと、4か国語でも書いてあります
中身は若輩者ですが、登山の装備してますからOK
梓川を渡ります
再び注意書き。観光客はここから先は行くなと。事故多いのかな
ここからは横尾谷をいきます。まず川原を歩きます
まだまだ先は長い
岩小屋跡をすぎるとそろそろ本当の山道になります
まず一気に登ります
高度を上げたので、沢の対岸の屏風岩がよく見てきました
そして前方の木の間から見えているのは、南岳でしょうか?
小屋が見えてます。多分、南岳小屋
道は本気の登山道に
谷の方位が変わり、別の山が見えてきました
北穂高小屋にまちがいないようです。ほぼ山頂。
マジであんなに遠くまで行くのかよ。
などとのたまっているうちに、本谷橋(ほんたにばし)に到着
ここは絶好の休息ポイントですが、われわれは先へ進みます。ここまで1時間少々。若干遅いペースです。
横尾谷を流れ下る沢ですが、今日は水量が多いようです
昨日までの雨のせいでしょうかね
そして本谷橋を渡ると試練が始まります
一気に道が険しくなり、一気に登ります
どんどんと高度を上げる登山道
ま、ここも2度目なので覚悟してたのでOK
写真で伝わるかな~~、この急登。涸沢に始めてくる人、覚悟してきてね
なんとなく遠くに涸沢カールが見え始めました
ちょっと一休み
この先は落石地帯なので、手前で休んどきました。ここで注意は3か国語。中国語はなくなったところを見ると、まだ中国の観光客は涸沢は目指さないようです
落石地帯通過。まるで石工が作ったように足元が整備されています。
このあたりで標高が2000mを超えます
やっと涸沢が見え始めました。左下で緑と灰色が交わっているあたりです
ほら、テントが見えてます
そしてこのあたりで樹林帯を抜け、ガレ場を歩きます
見えてるのに遠いのはよくある話。ここへくると高度のせいで息が切れます
ちなみに正面は穂高山系ですよ
横を清流が流れます
さてここですれ違った方のスマホが緊急警報を鳴らしました。上高地の焼岳で噴火警戒があるようです。地震かと思いビビりました。なお僕のスマホはOFFなのでなりませんでした。
ここで涸沢内で道が分かれます。我々は右の涸沢小屋へ
そして右手にはなんとなく北穂高の山頂小屋が見えています
アップ!
「まいったな~、まだあんなに上だよ」とビビる写真部の私
とりあえずの目的地、涸沢小屋が見え始めました
正面の左側が奥穂高岳、中央やや右が涸沢岳。両方とももう登ってます
そしてこちらの左奥が前穂高岳。まさに絶景に囲まれた涸沢です。ここ自体が目的地になる素晴らしい場所です
今登ってきた方面
明日は山の日です。きっともっとテントが増えると思います
さてテン場を過ぎ、涸沢小屋へ。右手の谷間の奥が北穂高です
なんでまたこの小屋は高いところにあるんだよ。つらい~~~
9:20涸沢小屋到着。絶景のテラスで休憩です、、、が
その前にトイレね。我慢してきました
ちゃんとチップを払いましょう
そして落ち着きました
小屋でコーヒーを買いました。本格的です
涸沢カールを見下ろしながらのコーヒー
そして見上げながらのコーヒー
いいっすね~~。ここで横尾山荘から持ってきた昼を食べちゃいます。横尾の弁当はパンですよ
涸沢では水が豊富なため、だれでも無料で水を補給できます。おいしいですよ。
25399歩ですのでここまで約10000歩。でもまだここは中間地点。さあ、北穂高山頂を目指して出発です。ここで標高は約2500m、山頂は3106mです。山頂までは3時間20分の標準タイム
北穂とかいた案内板のほうへ
先ほどの本谷橋からが急登と書きましたが、ここからのほうがもっと急。そしてさらに足場も悪く危険です
でも景色は絶好調
酸欠ですでに足が上がりません
一歩一歩、登るしかないです
毎年無責任で申し訳ありませんが、名前がわからない高山植物だらけです。高山植物A(コメントで教えていただきました ミヤマタンポポ)
高山植物B
詳しい方、教えてくださると幸いです
(コメントでいただきました:ヤマハハコ)
リーダーの山岳部Fジイはゆっくりと黙々と休まずに登ります。そういうスタイルらしいです
ずいぶんと高度が上がってきました。奥穂高岳方面です。画面中央やや右の深緑の支稜線が奥穂高へ登るルートのザイテングラードです。8年ぐらい前に登ってますよ。旅日記もあります
再び高山植物C
(コメントでいただきました:シモツケソウ)
高山植物D
(コメントでいただきました:アキノキリンソウ…?)
かなり急なのがわかるでしょうか。先ほどのテン場です。涸沢小屋は右下の木々の下で見えません
高度を上げるとだんだんと岩登りが出だします。10年登ってもまだまだ若輩者なので、こういう場所は緊張します。3点支持ですよ、岩場は
ただし僕は高所大好きなので恐怖感はありません
高山植物F
(コメントで教えていただきました:マルバダケブキ)
山男F
どこ登れってんだよって感じ
今度はいわば歩き。浮石が多いので要注意です
下に小さく見えるのがテントです
そういえばなんか曇ってきました
こちらは向かいの前穂高岳。一番高い峰以外は、一般道はありません。前穂高も登ってます
高山植物G
(コメントで教えていただきました:イワオトギリ、またはシナノオトギリキ)
高山植物H
(コメントで教えていただきました:ハクサンフウロ)
なんか怪しい雲行き
そしてこのルートの核心部といってもいい、鎖場と梯子にやってきました。
角度は急ではありませんが、足場がわかりにくい場所があり、特に下りで苦戦されているようです。そして渋滞箇所です
左上の先に、さらに梯子があります
とりつきに来ました。登りは鎖なしで登れます。写真部が先に行きます!
Fジイが続きます。滑落すれば一大事なのは間違いありませんので、慎重に
途中ですれ違うのですが、待ち場所が限られるので落石来たらアウトだよ。それより上から人落ちてきたら完全アウトだな
梯子が見えてきました。途中にもチッピングと鎖があります
やっと登り切りました。ここですれ違い待ちのFジイを待ちます
でも先に登ってきたのは長野県警の山岳警備隊員。レスキューのため現場に急行中です。さきほどすれ違いの時に聞いたのですが、このすぐ上で落石事故だそうです。登山10年目で初めて事故現場に遭遇です。
女性の頭部に落石があたったそうですが、幸いにも軽傷で意識もあり歩行もできるようです。すでに常駐隊の方により応急処置も終わっていました。でも松本の病院へ搬送のためヘリコプターが来るそうです。そうだよね、頭打ってるんだもんね。ヘルメットは着用されてなかったようです。我々もヘルメットはしていません。
ヘリが来る前にエリア規制がかかるので、現場より上へ移動します
悪いことに霧が出始めました。あるいは雲が下りてきたのでしょうか
少し下ではヘリ搬送の準備のため、怪我された方が自力で釣り上げやすい場所へ移動しています。山の事故は怖いなと、
好奇心でヘリを見たいのですが、悪天候になる前に小屋へ行きたいので登攀再開
このエリアにはまた鎖場があります
慎重に登れば、すくなくとも登りは鎖不要です
ここでヘリコプターのローター音が響いてきました
霧の中にうっすら見えるのは涸沢のテントです
そして霧の中に長野県警のヘリがやってきました
かなりぎりぎりのタイミングなのではないでしょうか。視界が悪くなる直前にリフトするようです
リフト場所は先ほどの梯子上部付近だそうです
ゆっくりとホバリングしながら近づきます
さて実はここでもっと大変な2件目の事故に遭遇します。このヘリにむかって必死でタオルを振るグループが僕らのすぐ上にいました。いってみると、またしても落石事故。こちらは男性が意識不明で血を流し倒れた状態でお仲間に介抱されていました。呼吸はあったようです。「携帯電話が通じなく救助が呼べないんです。」と通りかかった僕に助けを求めてきたようです。僕のすぐ次に来た若い男性が早速リュックおろし「救助隊がまだ下にいるので呼んできます」とすぐに降りていきました。僕は「万一のために小屋へ急いで登って救助要請してきます」と言い歩き始めました。でもふと冷静にドコモ携帯が通じるはずなので、「ドコモなら通じるはず、、、」というと介抱していた男性が気づいたように電話をし、幸いにも通じ救助要請を出せました。
救助が呼べたのに安堵し、お仲間もいるし救助隊も上がってくるようなので、僕らは現場を後にしました。後で思ったのは、もうすこし現場にいてあげればよかったこと、だれも止血をしてあげてなかったこと、ファーストエイドやツエルトやエマージェンシーシートなどを持っていたのに差し出さなかったことなど、いろいろ考えながら歩きました
しかし現場は2900m付近。そしてあっという間にガスってしまい、ヘリはもう来れないだろうと、、、。最初の落石事故の直後に2件目に遭遇なんて。北穂高岳の南陵は、ここではエキスパートルートでもなんでもない一般登山道ですが、同時に2件落石かよ。
さっきまでのお祭りムードは吹っ飛び、大げさだけど事故と登山は隣り合わせを自覚中です。そして自分の無力感に反省。
登山歴何十年のFジイも事故現場には遭遇してないそうです。今日はけっして悪天候でも悪条件でもないんですよ。2件目の方はヘルメットをかぶっていたようで、なければ即アウト。やっぱりヘルメット必要だな。
気を引き締め、落石を起こさぬようにあるいていくと、霧の中にテントが見え始めました
北穂高のテン場です。頂上小屋からは20分離れているそうなので、あと20分で到着です。
もはやガスで絶景も見えません。
そして分岐の道標がみえてきました
縦走コースと合流です。山頂まであと少し。霧で幻想的と言うこともありますが、ここはなんだか不気味です
このあたりで山小屋から来た救助隊の方とすれ違いました。レスキューは無事進行中のようです
Fジイに先行してもらいました
ぼ~~と歩くわれわれ
頂上直下の雪田をすぎると
あとすこし。ちなみにFジイはなんどか登っているので、ルートがわかっています
もう頂上です
とうちゃこ
何も見えない寂しい北穂高岳山頂です。標高3106m、日本9位の山です
3106mだかなんだかわからないけど、息苦しいので高山だなと。とりあえず雨が降る前に到着できました。これで日本のトップ10に上ったことになります。バンザイな気分ではないので、地味に
すでにFジイがガスってます
上高地から29568歩で登頂です。6時間少々のコースですが、ご飯を食べたりいろいろあったので8時間弱かかりました
お、こんなところにネズミが。捕まえたので愛猫のお土産だ!という、毎年やってる小ネタを今年も
で、ここの特徴は山頂に小屋があること
小屋の屋上が山頂という感じです
本来なら、槍ヶ岳とかがみえる絶景なんだけどね
わずかに数十歩で小屋到着。こちらは売店
ついたぜ、無事に
小屋にはジャスト14時(高度計は目安。本当は3100mです)
「頼もう!」とチェックイン
ちなみにこちらが有名なエキスパートコース、大キレットへの降り口。
ですが今日は何にも見えません。本来なら槍ヶ岳まで一望
もうつかれちゃってしばし部屋にもいかずに休憩です
やたら安全が気になる私
さてさて小屋についたらまずやること。Fジイはジュース、
僕はもはや儀式といってもいいカップ麺
えっとですね、ここは3100mあるんです。お湯の沸騰温度は90度ぐらいですんで、麺バリ固です。でもうまい。不思議と塩気がちょうどよく感じスープ飲み干せます
ちなみに登ってくるとき見えてた北穂小屋。このテラ
スにいます
この後部屋へ。3階だな。だから標高は3104mぐらかいな
部屋は満員だけど、布団は一人1枚。よかった。やることなしなので、ごろ寝
ちなみにここではAUが室内で安定して使えました。通話はしてないので不明ですが、たぶんいけそう。
夕食は生姜焼き。
食欲がないFジイと
頭が重い私。ふたりして高山病です
このあとテラスにでましたが、、雨が降ってきた。夕焼けも夕日も星空もあきらめだ。せっかくFジイに三脚まで持ってもらったのに、、、
雨で外にいることもできず、やることないので、、、
さっさと寝ました
夜中にトイレに起きて、一応天候のチェック。星空とか月夜の槍ヶ岳とか撮りたかったがあきらめだ!ただ登っただけになったな、今回は。
歩数のほうは本日14851歩、積算29756歩でした。明日はきっと晴れる!かな。
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追記
下山後調べたところ、ヘリで救助された1件目の方は軽傷。2件目の方はヘリが飛べず救助隊が涸沢の診療所まで担いで下ろし、翌日天候の回復を待ってヘリで搬送されたそうです。回復されることをお祈りいたします。
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高山植物の名前を、コメントで教えていただきありがとうございました
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