北穂高岳登山2017.8：あとがき

というわけで、無事に9位北穂高岳3106ｍに登ってきました。景色が見られなかったのは残念ですが、怪我もなく下山できて本当に良かったと今回ばかりは実感しました。後日知ったのですが、僕が遭遇した落石事故２件以外に、同日に同ルートで単独登山者が行方不明になっているようです。続報がないのでわかりませんが、涸沢の小屋より日帰りで北穂高に出発して帰らないとのことです。落石は怖い、滑落は怖い、行方不明はもっと怖い。そういう山の怖さを肌で感じております。ベテラン山男Fジイも現場に遭遇したのは初めてだそうです。この北穂高の南陵ルートは一番簡単な一般ルートですが、それだけになんかこわいです。これからまだ山に登るだろうから、さっそくヘルメットを買いに行こう。

さてこれで日本の山の高いほうから１０山は登りました。もちろん夏の一般ルートでFジイにガイドされてなので、たいしたことではありません。以下に日本の３０００ｍ峰を列挙しましたが、すでに１３番までは登っています。高いほうから登山をつづけるなら次は１４位の御嶽山なのですが、ご存知のように2014年の噴火に伴い、今も頂上部は入山規制中です。ここでトップ１０なので高順をやめてキレイな山に登るか、それとも３０００ｍ峰全山を目指し御嶽山を飛ばしてのぼるか、いっそ怖いから登山やめちゃうか、ちょっと考え中です。とにかく御嶽山がダメなので、高い順はできませんので一区切りです。

最後に、今回も計画からガイドまでこなしてくれた山岳部Fジイに感謝です。

日本の山 3000m峰、高い順（登った年）
１：富士山（独立峰） 3776m （2006）
２：北岳（南アルプス） 3193m （2010）
３：奥穂高（北アルプス）3190m （2011）
３：間ノ岳（南アルプス） 3190m （2010）
５：槍ヶ岳（北アルプス） 3180m （2012）
６：悪沢岳（南アルプス） 3141m （2015）
７：赤石岳（南アルプス） 3120m（2016）
８：涸沢岳（北アルプス） 3110m（2011）
９：北穂高岳（北アルプス）3106m（2017）
10：大喰岳（北アルプス） 3101m （2012）
11：前穂高岳（北アルプス）3090m （2013）
12：中岳（北アルプス）3084m（2012）
13：荒川中岳（南アルプス）3083m（2016）
14：御嶽山（独立峰）3067ｍ （未）
15：農鳥岳（南アルプス）3051ｍ（未）
16：塩見岳（南アルプス）3046ｍ（未）
17：南岳（北アルプス）3032ｍ（未）
18：仙丈ケ岳（南アルプス）3032ｍ（未）
19：乗鞍岳（北アルプス）3026ｍ（未）
20：立山（北アルプス）3015ｍ（未）
21：聖岳（南アルプス）3013ｍ（未）
＊＊＊

22：剣岳（北アルプス）2999ｍ（未）

以前に撮った北穂高だけの写真を以下に載せます

（拡大できます）

前穂高岳山頂よりの北穂高岳とその南陵。奥に見えるのは槍ヶ岳。子の南陵を登りました

（拡大できます）

天狗原よりの北穂高（右端）。奥に見えるギザギザの山が前穂高岳

（拡大できます）

同じく天狗原より。この頂上に北穂小屋があります。見たかったな～～絶景。

（拡大できます）

見えていただろう景色。富士山も見えます。奥穂高岳より

（拡大できます）

涸沢岳よりの北穂高岳。右の稜線を登ってきた。左は槍ヶ岳と大キレット

（拡大できます）

同じく涸沢岳風景。奥から槍ヶ岳、大喰岳、中岳、南岳そして大キレットと呼ばれる稜線。難所です。北穂高岳は右に見切れています。これが眼下に見えるはずだったのに～～

あ～～～残念だった

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北穂高 Day3：山の日の混雑をぬって下山だ

これは写真部な筆者がベテラン山岳部に山へ連れて行ってもらう旅日記です。データーに不正確な部分があったり表現に大げさな部分がありますので、山行計画の参考にはなりません。あくまで旅日記としてお楽しみください。とくに初心者だけでの登山はご注意ください。なお山は自己責任ですので、そのあたりをご理解ください。

Day3は深夜から。トイレにに起きたら雨が本気でふっていました。もし晴れてたら月夜の山写真を写真撮る気で、枕元にカメラ一式と三脚と防寒具を用意していたのに、最後のチャンスも裏切られました。山の神は、今年は辛辣です

起床～。雨は一応上がっていますがガスの中。

日の出もきれいなはずなのですが、夢かなわず.

朝ごはん。今日は長丁場、３１０６ｍから一気に下山して家へ帰ります

出発間際、ガスが晴れないか～～と期待したけど無理。むしろ雨が降り出しそう

もう出発です

29756歩からスタート

まずは数メートル登って山頂、、、、というか山小屋の屋上だな

結局何も見えなかったな、北穂高

昨日の逆ルートで下ります

割と皆さん、昨日の事故を知っているので慎重です。多くの縦走予定の方も、悪天候なので下山するようです。

濡れた岩場は滑ります。注意して進みます

ここいったいどこなんだ、、、景色がないので気が滅入る

高山植物 J。後日自分でも調べますが、詳しい方教えてください。

（コメントで教えていただきました：オンタデまたはウラジロタデ）

高山植物K。水がたくさんで喜んでいるんだろうな、草花は。

（コメントで教えていただきました：ヨツバシオガマ）

分岐までやってきました。ここから南陵を下ります

高山植物L

（コメントで教えていただきました：ウサギギク）

テント場を抜け、岩場を慎重に下ります

高山植物M

（コメントで教えていただきました：イワギキョウ またはチシマギキョウ ）

今日は鎖を使います。左がどれだけ切れ落ちているのかは全くわからないのが不気味です

高山植物N

（コメントで教えていただきました：ハクサンボウフウ？）

昨日の事故エリアを通過です。

梯子上まで順調に来ましたが、ここで渋滞。今日は山の日、登ってくる人が圧倒的に多いのです。結局梯子上で１５分待ちました。体が固まりました

やっと我々の順番です

ところが梯子下のクサリで戸惑う人が多く、すごく嫌な場所で渋滞待ち

登り優先なのはわかるけど、ここで登りとすれ違うのは大変ですぞ

かなり待って鎖を下ります。１５分近く足場の悪い岩場で待たされました。また体が冷えました

やっとFジイ降下中

この区間通過に３０分かかりましたよ、マジで

さあ遅れを取り戻すぞと、どんどん下ります

ガスの下に出てきました。涸沢が見え始めました

見えてもなかなか近づかない

再び気を引き締めて下ります

テントがはっきり見え始め

整備された登山道になり

一気におりると涸沢につきます

とりあえず涸沢小屋へ寄ります。トイレトイレ、、、。２時間のコースタイムのはずが、梯子渋滞のおかげもあって３時間弱かかりました

落ち着いた後、カレーを買いました。小屋からお弁当も持ってきましたが、やっぱり温かいものが食べたいから

Fジイは食欲が戻らないようです。僕の頭痛は高度が下がったせいか服薬のせいか、もう治りました。

涸沢も上半分はガスの中

雪渓の岩が動くなと思ったら

サルだ

草地にも

テン場にも

なんか楽しそう

そして我が物顔で偉そうです。というか、本来ここは彼らの縄張りなんだよね。人が邪魔してる

さあ３０分休憩の後、下山再開。遅れているのはFジイが先を急ぎます

ガスガスの涸沢でした

北穂高方面も全く見えません

テン場のエリアに山岳警備隊の詰め所があります

いったん低木帯を抜け

沢沿いを下ります。

１０時半ですが、結構人が登ってきています。朝一に上高地を出た人たちでしょうか

うっすらと日が差してきましたが、いまさら照ってもね～

振り向けば最後の涸沢の風景

次はテントで来て泊まりたいですね

このあたりの下りはなだらかです

ガレ場を横切ります

そしてこのあたりから地獄のすれ違いが待っていました

山道は基本的に登り優先です。だから我々は待つのですが、、、

ヒーヒー言いながら何十何百のグループが登ってきました。とにかく団体さんが多く、数十人を待ちつつ、全員とあいさつを繰り返し。礼儀なのですが、正直何百人とあいさつするのは苦痛です。

そして写真には写ってませんが、人だらけの渋滞区間でした。恐るべし、山の日。

本谷橋が見えてきました。ここまで１時間１０分のコースタイムが、２時間かかりました。一瞬の隙をついてダッシュで下るのと、待ちすぎで脚が完全に固まりました。

ヘロヘロ～～橋が揺れる～～～

本谷橋をすぎると道がなだらからで広くなります

いわば２車線道路

そして急なくだりを降りると、平らな歩きやすい道に

岩小屋跡つうか～～あと1.3kmだ。１１ｋｍと１．３ｋｍですけどね

足がかなり来ています。昨夜靴のインソールをいったん出したのがいけなかったのか、小指があたっていたい

横尾でいろいろ修正しないと、とてもじゃないが上高地まで歩けない

やっと横尾大橋

ここで槍と涸沢からの2つの沢が合流して梓川になるんですよ

何とかたどり着いた横尾。１３：３０です。本当はここで泊まりたい！でも山の日でもし止まれても雑魚寝。いやだ～～

まずここで汗だくのTシャツを替え、靴を脱ぎ中敷きを引き直してソックスを替えました。この二つを替えるとかなりリフレッシュします。あとは腹ごしらえしてエネルギーを入れるんですが、、、、

「もう行きますよ」とFジイがせかします。何を焦っているのか僕にはわかりませんが、リーダーは予定から大幅に遅れていて焦っているようです。

カップ麺をあきらめ副食で我慢して出発します

でもこれから１１ｋｍ。ほぼ平とは言え、つらいよな～～

ぼくは完全にFジイのペースについていけません。まずあたっていた両足の小指が痛い！右の下肢が痛い！両脚のももがパンパンで思うように動かない！なによりエネルギーがない！

もう散策路なのでFが待ってくれないので、マイペースでいくことにします

1時間の一人旅。歩きながら栄養食をいれますが、パワーが出ない

徳澤が見えたころにはフラフラです。一つは暑くなったこと。帽子も脱ぎました。もう一つはシャリバテでエネルギー切れ。炭水化物が切れると動けないものです。ぼくはどうも３時間歩くとエネルギーが切れるようです。

Fジイは外のベンチでまってくれてました。彼も限界のようで、魔法のどら焼きを出して食べてます。ただ食欲は相変わらずないので本格的には食べないようです

徳澤園です。ここにはカップ麺がないので本当の麺

山菜そばで炭水化物と塩分と水分を一気に補給

食べ終わり一段落したら、急に景色がきれいに。ここにテントはって何日か暮らすのもいいな

見えにくいですが、新しくなった徳澤ロッジもいい感じ。ここは外来入浴できます。

まだ2時間あります。こんな山の日の連休にいきなり泊まれる場所はこの先は皆無です。上高地を脱出しないとビバークだ！

上高地へ、けっこう必死で歩いております

脚も重いので、もうちょっとした上り下りでヒーヒー言ってます

それでも山菜そば効果でエネルギー的には回復

写真も撮り始めました

山への出入り口じゃなく、目的地としてもっとゆったり来たいですね、奥上高地

あいかわらずFジイは早く、待ってくれない

でも彼には悪いがカモがいたので写真を撮ることにする

なんか潜ってる

なんか採れたのかね

また潜ってます

また完全に一人旅

森の中の気持ち良い道です。ここは実は関係者の車が入れます

苔むしてるね

つかれきっとるね～～

明神に到着。Fジイも先に到着

いつもは素通りですが、今日はマジでここに宿泊したかった。ここが最後の山小屋です。この先はホテルばかり。カフェインでドーピングして10分休憩

なにがFジイをそんなにかりたてるのか、彼は先へ先へと進みたがります

あ～～、もうここにビバークでもいい。とまりて～～～という僕にFジイが、

「明日になれば歩けるって感じがしない」そうです。確かに、あすは筋肉痛で歩けそうにない

あと1時間弱

笹の森を抜け

なんかサルがいる小梨平まで来ました

行きならすがすがしい靄のかかった川も、いまはどうでもいいです

あと４００ｍ

キャンプ場の中を突っ切り

河童橋まで来ました

穂高はやっぱりガスの中

そしてバスターミナル着。今回の歩数計はここで測ります。６５０９５歩ですね。順調なコースタイムだと14時ぐらいにはついていてもおかしくないので、遅れまくり。

時間のせいか山の日のためか、タクシー台数が不足しています。係りの方から、列の後ろの一般観光客との相乗りをたのまれました。安くなるのでこちらは大歓迎ですが、一応聞いてみました。

「我々は臭いですけどいいですか？」

ここはマイカー規制でバス以外はタクシーしかありません。タクシーの運転手さん曰く「いそがしくて倒れそうだ」だそうです。仲間のタクシーもう山を下りちゃったそうです。もうかっていいじゃんね

やっと車に帰ってきました

そしてすぐ入浴。下界におりるまえの身だしなみ

温泉から出てくると、おそらが焼けてました

暗くなる前に出られてよかった

ファーストコンビニにて下山の儀ミニ

夕食は諏訪湖SA

かき揚げそば、、麺ばっかりだな

正面に花火が上がってました

このあと運転をかわったので写真はありませんが、豪雨の中を走って帰ってきました

23時過ぎに、無事実家に到着。残念ながらウーのお出迎えはありません。このまま倒れるように寝ました

そして翌日、実家へウーのお出迎え

ちゃんと無事帰ってきたぞ～～

北穂高でネズミ捕ってきたからな～～

実家で自動録画のビデオを見たら、穂高岳の空撮が偶然取れていました。手前に見えている赤い屋根が北穂高小屋です。晴れればこんな風景が見られる予定だったのに、、、、残念だ。ま、無事帰れて何よりだけどね。

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最終日の歩数はなんと３５３３９歩！（積算は６５０９５歩。）高低差があるのであまり意味ないですが、水平移動距離は１７ｋｍ標高差は１７００ｍほどでした。

（コメントでの高山植物の名前を教えていただきましたので、追記いたしました。大貫様、ありがとうございます！）

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